【ホ1-23】キツのナと、ホムシサル、アヤ


175
(原文池田 満 (著):「ホツマ縄文日本のたから」展望社 :p206-207 より)


ドヨマセバ

響かせれば

ムシ トヒサリテ

虫 飛び去りて

ニシのウミ

西の海

ザラリ ムシ サリ

ザラリ 虫去り

ヱオハライ

穢を祓い

ヤハリ ワカヤギ

やはり 若やぎ

ヨミカエル

甦る

ソロにミノリテ

ソロに稔りて

ヌバタマノ

ぬばたまの

ヨノカテヲウル

世の糧を得る


(解説)

「どよませば」は、「響かせれば」と訳しているようです。

ざらり 2 3 (副)

(多く「と」を伴って)
(1)表面がざらざらしたさま。
「―とした手触り」
(2)なめらかでないものが触れ合って発する音を表す語。ざらざら。
「雨の蘆辺も乱るる片男波、あなたへ―、こなたへ―/謡曲蘆刈」
(3)残るところのないさま。残らず。
「万事を底たたいて語りける。―と聞いて合点して/浮世草子一代女 4」

「ザラリ」は(3)の意味でしょうか?
(2)も捨てがたいですが、「残らず虫が去った」の方が、「羽音にぎやかに虫が去った」よりはしっくりきます。

やはり 2 【矢張り】 (副)

〔「矢張り」は当て字〕
(1)以前と同じ状況であるさま。事態が変わらずに続いているさま。
「今でも―あのまま残っている」
(2)前もってした予想や判断と同様であるさま。また、他の例から類推される状況と現実が同じであるさま。
「―彼一人が反対だった」「私も―自動車で行きます」
(3)さまざまないきさつがあって、結局、初めに予測した結論に落ち着くさま。一般的な常識うわさなどに違わないさま。
「随分気をつけていたが―ミスがある」「若く見えても―もう年だ」
(4)動かないでじっとしているさま。
「他人を雇うて銭を出して我は―居るを居更と云ふぞ/史記抄 16」
――野に置け蓮華草(れんげそう)
レンゲソウのような野の花は、やはり野原に咲いているのが似つかわしい。ものには、本来それにふさわしい場所というものがある。

「やはり」はこういうニュアンスで使われるのですね。勉強になりました。
「ソロに稔りて」の「そろ」はよくわかりません。
よく見ると、「ソロに稔りて」の「ソ」「ロ」は特殊文字ですね。
http://julian.way-nifty.com/nwk_woshite/2006/04/post_7e4b.html
に、
「ソ」 – 穀物、特に水田で出来る米を示す、ヲシテ文字
「ロ」 – 穀物、特に畑で出来る穀物を示す、ヲシテ文字
と書かれていました。

ぬばたま 0 【〈射干〉玉/▽野▽干玉/▼烏玉/▼烏▽珠】

黒い珠、またはヒオウギの実のことというが、未詳。うばたま。むばたま。

ぬばたま-の 【〈射干〉玉の】 (枕詞)

(1)「黒」にかかる。
「―黒き御衣(みけし)をまつぶさに取り装ひ/古事記(上)」
(2)「黒」に関係深いものとして、「夜」「夕」「こよひ」「昨夜(きそ)」「髪」にかかる。
「青山に日が隠らば―夜は出でなむ/古事記(上)」「―夕(ゆうべ)に至れば/万葉 199」「―今夜(こよい)の雪にいざ濡れな/万葉 1646」「―昨夜は返しつ今夜(こよい)さへ我を帰すな道の長手を/万葉 781」「―髪は乱れて/万葉 1800」
(3)「夜」「(黒)髪」に関係深いものとして、「夢」「月」「妹」にかかる。
「我が背子がかく恋ふれこそ―夢(いめ)に見えつつ/万葉 639」「―月に向かひて/万葉 3988」「―妹が乾すべくあらなくに/万葉 3712」

米の籾は黒かったのでしょうか?

(解説を書くにあたり、 池田 満 (著):「ホツマ縄文日本のたから」の解説文を参考にしております)
(このページの記載に、間違い等があった場合の責はすべて 無宗だ にあります。)


(感想)

「西の海」は方角を意味していると同時に、
(虫が去って災難は)静まった、落ち着いた
との意味も含まれるのかな?
枕詞の「ぬばたまの」が、何故、必要なのかが今一わかりません。
しかし、虫に食われた作物が「やはり若やぎ甦る」などということが本当にあるのでしょうか?
うーむ。


(引用の了解を頂いた池田 満先生に感謝いたします。)
なお、このアヤのさわりは、うまやど さんのブログ:「オノコロ こころ定めて」の
記事「和歌山にて詠める」にて紹介されています。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です